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ボイトレの名著『うたうこと』の大事なポイントを簡単に解説

なかにしけん

メンタルボイスボイストレーナー。 ▶︎ESPエンタテイメントヴォーカル科卒業 ▶︎メンタル心理カウンセラー資格 ▶︎ボイトレ歴10年 【歌で自分に自信をつける!】をモットーに、当ブログでは趣味でも本格的な音楽の知識を身につけたい人向けに、さまざまなボイトレ・音楽情報を掲載しています。

この記事はこんな方におすすめ

  • 「うたうこと」を読んでみたいけど、どんな内容か知っておきたい人
  • 実際に読んでみたけど内容が難しすぎてわからなかった人

どーも!ボイストレーナーの中西健です♪

今回はボイトレの名著『うたうこと〜発声器官の肉体的特質・歌声のひみつを解くかぎ〜』について解説していきます。

著書であるフレデリック・フースラー氏は世界3大ボイストレーナーと呼ばれるほど伝説的な人で、本の内容も素晴らしいものになっています。

しかし、解剖学や生理学といった普段接することのない学問の要素が多く含まれており、かなり難解で読みにくい本でもあります。

今回はそんな本書を6つのポイントに絞ってご説明します。

ポイント

  • 現代人はみんな音声衰弱症である。
  • 声を聴いて喉のどこが動いているのかわかるくらい音をイメージする。
  • 綺麗な声に必要なのはすべてがバランスよく統一されていることである。
  • 声帯を振動させるのは息ではなく声帯自身である。
  • 声区とは声の区域のことだけを指すのではない。
  • ボイトレ界に広まったアンザッツ

ちなみにこの本はプロの歌手やボイストレーナーの間でも解釈が大きく分かれます。

「うたうこと」の中でもとりわけ目を引くのがアンザッツなんですが、解釈がしやすいためかそこだけが有名になっていきます。

本書ではアンザッツの前に、かなりのページを使ってアンザッツを行うために必要な前知識を説明しています。

例えば、本書では声帯の自己振動という概念が説明されているのですが、これをわかっていないとアンザッツ3番を理解することはできません。

この記事を読んでいただいてから、本書を読むことできっと前回読んだ時よりも理解が進むでしょう。

現代人はみんな音声衰弱症に陥っている

最初の『基礎原理』の項目では、現代人は歌うために必要な筋肉や器官が元々とても弱っているということが書かれています。

その状態をこの本では音声衰弱症(おんせいすいじゃくしょう)と呼んでいます。

けん

これは僕にもあなたにも当てはまる症状です

その弱りきった喉や器官を復活させていくことで、人間本来の歌声を獲得していくというのがフースラーの基本的な考え方です。

神経支配の悪さが歌唱力低下の原因!?

さらに具体的に言うと、現代人は喉の神経支配がとても悪い状態です。

例えば、利き手で箸を使うことは簡単ですが、利き手ではない手で箸を使うのはとても難しいです。

これはその手に箸を使うための神経が行き届いていないからです。これが神経支配が悪い状態です。

つまり、僕たちの喉は利き手ではない方の手で箸を使おうとしている状態なのです。

本来の喉の機能の半分も使えていない

歌唱における喉の使い方に関していえば、本来の半分も使えていません。

練習を重ねるうちに、「おお!こんな使い方ができるのか!」という感動に出会えることでしょう。

なか犬

その感動に出会う度に練習が楽しくなっていくんだ

声を聴いて喉のどこが動いているかイメージする

この本でフースラーは、いろんな声の音質を聴き分けられる耳を持ちましょうと書いています。

声を聴いただけで喉の中が状態がイメージできるほどいい耳が歌手やボイストレーナーに必要になってきます。

例えば、ここに2つの音源を用意しました。聴き比べてみましょう。

一つ目は裏声で明るく聞こえましたね。これは裏声に声帯閉鎖が加わっているためです。

ふたつ目は同じ裏声ですが少し息っぽく深めに聞こえましたね。声帯は開き、喉の位置が下がっているからです。

このように、音を聴いて喉の中がイメージできると練習を行う際に大変役に立ちます。

重要なのは歌声に必要な全てが統一されていること

野球のバッティングをイメージしてみてください。

腰の入れ方・バットの握り方・腕の振り方すべてが統一されたとき、とてもいいバッティングができます。

これは歌にもいえることで、必要な要素がバランスよく統一されたときにとても美しい声が生まれます。

この統一に必要な要素というのが、喉頭(こうとう)・喉頭懸垂機構(こうとうけんすいきこう)・呼吸器官の3つです。

この3つをバランスよく鍛え上げていくことがとても重要になります。

喉頭の部分は主に披裂筋(ひれつきん)や輪状甲状筋(りんじょうこうじょうきん)といった声帯周りの筋肉のことです。

喉頭懸垂機構に関しましては別の記事に書いていますのでそちらを参考にしてください。

声帯の自己振動

この項目はフースラーのボイトレ理論の核となる考え方なのでとても重要です。

声帯は息が当たることで振動し声に変換される、というのが一般的な声帯の考え方でした。

しかし、フースラーは声帯を振動させるのは息ではなく、声帯自身よって自立的に行われるのだと唱えました。

ここから分かることは、声帯自身を振動させる技術を身に着けることができればかなり少ない息の量で歌えるということです。

この声帯自身を振動させる技術というのが、アンザッツ3番になります。

声区とは声の区域のことだけ指すわけではない

この本では声区を仮声区(かせいく)・頭声区(とうせいく)・中声区(ちゅうせいく)・胸声区(きょうせいく)・混声(こんせい)・極高声区および極低声区に分けて説明しています。

声区の項目を読む際に気を付けなければいけないことがあります。

それは声区とは声の区域のことだけ指すわけではなく、音質のことも指していると理解しておくことです。

ボイトレ界に広まったアンザッツ

世の中にアンザッツは広がっていきましたが、その目的は意外と知られていません。

アンザッツの練習の目的は、喉の中の筋肉の神経支配を良くすることにあります。

アンザッツは喉頭懸垂機構(こうとうけんすいきこう)を効率よく鍛えることができます。

ただし、ここで注意なのがどれか一つのアンザッツを繰り返せばいいわけではありません。

すべてのアンザッツをバランスよく行うことがとても重要なのです。

詳しいアンザッツのやり方につきましては、別の記事に書いていますので参考にしてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回はかなりかいつまんで、ご説明しています。

この本はとにかく奥が深いです。僕もまだまだ理解できていない部分があります。

実際本書を読めばまた違った視点が生まれることでしょう。

今回の記事を理解していただけたらきっとこの本を読むことができるでしょう。

一緒にぼちぼちとがんばっていきましょうね!し~ゆ~☆

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